経済学部を代表して


経済学部長 山田 智哉


 札幌学院大学経済学部の前身は,1968年に設立された札幌商科大学商学部です.1976年に,商学部経済学コースを商学部経済学科に拡充・増設し,現在の経済学部の基盤が形成されました.その際,経済学科の教育目的は,経済学教育を拡充させ,かつ,現代経済の課題に体系的に取り組むことでした.その後,商学部経済学科が現在の経済学部経済学科に改組・転換されたのが1991年でした.その改組・転換の主旨は,内部充実および「国際化・情報化の進展に伴う現代的課題,とくに北海道経済の活性化に貢献し得る人材の養成」を目指し,産業社会の要請を先取りし,本学経済学部で専門教育を授けた卒業生(経済学士)を産業社会に積極的に送り出すことを目指すものです. 

 今日,大学進学率も上昇し,大学を取り巻く環境は,国際化(経済のグローバル化),情報化,そしてユニバーサル化しています.このユニバーサル化に対応し,経済学部も次の3つの教育目標を掲げ,一人ひとりの学生に向き合う教育を進めています.第1の目標は,経済学の分析能力を修め,産業社会で活躍する人材を育成する,「人材育成教育」です.第2は,経済学の専門知識を身につけ,日常生活を豊かにする教養を培う,「教養教育」です.第3は,経済学を総合的に修め,市民社会の形成に参加する自律した人間を育成する,「人間教育」です.これらの教育目標を実現すべく3度に及ぶカリキュラム改革を経て,現在の経済学部のカリキュラムを体系化しました. 

 この体系は,導入科目,入門科目群や基礎科目群で構成される専門基礎科目,応用科目群,演習・実習科目群から構成される,経済学部の教育課程です.先のカリキュラム改革で導入科目として「経済学入門A・B」を加えました.これは,高校までの教育と,経済学部での専門教育を連携させる経済に関する導入科目です.それと併せて,経済学部では「プロ・ゼミナール」を開講し,大学生活に馴染めるように,担当教員が一人ひとりの学生の日々の大学生活の面でも相談できる体制を組み込みました.その上に専門基礎科目,応用(展開)科目を開設し,併せて,演習・実習科目を開設しいます.専門基礎科目には,「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」などの基本理論から,「経済データ分析論」や「経済数学」などの基礎アート科目,「財政学」や「社会政策」などの政策・政府関連科目,「金融論」や「産業組織論」などの産業・金融関連科目,「経済史」および国際・地域経済関連科目からなる専門基礎科目群を修めて,次に,応用科目群に進みます.経済学部では,学生の現代社会を見る目を磨き,産業社会で活躍する学力を身につけるための教育に邁進しています.

  今日の大学のユニバーサル化は,われわれの予想を超える速さで進んでいます.この急激な大学を取り巻く環境の変化に経済学部は,学生の基礎力を盤石にするカリキュラム体系の必要性を強く感じています.そのための重要な科目が伝統的な「専門ゼミナール(ゼミ)」です.この専門ゼミナールでは,学生の報告や学生間の議論を通して,知的好奇心が充足され,同時に,学生のコミュニケーション力や社会人基礎力を高められます.

  現在,経済学部では,「学士力」(経済学士)として「社会人」や「職業人」として求められる能力にも配慮したカリキュラム体系の構築に努力しております.例えば,言語能力や数的処理能力(SPI2など),ビジネス基礎能力(あるいは汎用性の高い概念や倫理的側面など)を身につけさせる内容のカリキュラム体系の構築に挑戦しております.これは,大学のユニバーサル化および経済のグローバル化への経済学部の一歩前進した対応であり,経済学部の教育目標の実現に向けたさらなる改革です.同時にこの方向は,本学が取り組んできたキャリア教育(科目「職業と人生I,II,III,IV」)の充実とその深化であります.

  札幌学院大学経済学部で経済学を修め,専門性と教養と人間性を具えた人材として,現代社会で伸び伸びと活躍してみませんか.